5.機会と強みをつなげる
SWOT分析
環境分析をするための項目例を図表4で見ました。
それをどのような視点で評価したらよいのでしょうか。
SWOT分析を活用するのがいいと思います。
「スオット」と読みます。
図表5にあるようにS、W、O、T、は
それぞれ、強み、弱み、機会、脅威の頭文字です。
SWOT分析は環境を強み、弱み、機会、脅威の4つの視点で分析する手法です。
強みと弱みは内部環境の視点です。
自店の内部環境でどの項目が強みか弱みかを評価します。
機会と脅威は外部環境の視点です。
自店の外部環境はどの項目が機会になるか、脅威になるかを評価します。
環境を強み、弱み、機会、脅威の4要素を見ることで、
ショップ計画の戦略立案に活かします。
◎強みはそのショップの内部環境で、
目的を達成するのに役に立つ要素です。
◎弱みはそのショップの内部環境で、
目的達成のアキレス腱になる要素です。
◎機会はそのショップの外部環境で、
目的達成に役立つ、チャンスになる要素です。
◎脅威はそのショップの外部環境で、
目的達成の妨げになったり、ショップ存続の危機を招く要素です。
強みは機会を得て成果につながります。
逆にいうと機会は強みによって生かされます。
成果をつくるために、
結びつく機会と強みを発見するのが環境分析の第一の使命になります。
弱みは脅威にさらされて顕在化します。
逆にいうと脅威は弱みがあることで脅威になります。
企業を存続させるために、弱みや脅威の分析も環境分析の使命になります。
SWOT分析は大変一般的な手法ですが、
シンプルなので小企業や個人店でも使える手法です。
アフリカの靴屋さんで考えるSWOT分析
SWOT分析の使い方として、
機会と強み、脅威と弱みの結びつきを考えるために、
アフリカの靴屋さんの例にもどります。
A社の強みは高級な靴です。
高級な靴が強みなら、
富裕層が増えている国に進出を目指した方がいいのではないか、との考えも生まれます。
これは高級な靴という強みと富裕層の増加という機会を結びつける考え方です。
B社は少子化が影響して売り上げが低下しています。
若者の靴を重視した商品構成が弱みになっている可能性があります。
この例は少子化という脅威に商品構成の弱みが結びついた例です。
B社の強みは低価格の靴です。
アフリカで経済開発が始まっているとしたら機会かもしれません。
低価格の強みで、靴を知らない国の新市場創造の機会を捉える可能性が生まれます。
低価格という強みを経済開発による機会に結びつける例です。
ではA社がアフリカ向けに低価格の靴を開発するのはどうでしょうか。
資金的なゆとりがあれば、考えられないアイデアではあります。
資金力という強みでアフリカの経済開発期の機会を捉える例になります。
しかし、その場合はB社の存在が気になります。
B社も同じアフリカの開拓を狙っています。
B社は低価格の靴が得意な会社です。
A社は低価格の靴は得意でなかったとします。
B社の安い靴がアフリカで出回ったら、
価格で太刀打ちできないかもしれません。
B社という脅威とA社の不得意部分の弱みが結びつく例です。
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