個人が開業を計画する前に考えたい、ショップづくりで大切なこと(2)


3.靴屋の話


アフリカの靴屋さん

営業研修などでよく例題になる「アフリカの靴屋さん」の話があります。

図表2の文章を考えてください。

A社の営業担当者とB社の営業担当者のどちらの姿勢を評価しますか。

 

この話は消極的な姿勢と積極的な姿勢があること示し、

積極的な姿勢がビジネスを生み出すことを教えてくれます。

B社営業担当者の方が褒められるべき態度と考えられています。

 

確かに、B社営業担当者のように考えるべきです。

でなければ新しい市場は生まれません。

では、A社もB社も靴屋さんはアフリカに出店すべきなのでしょうか。

 

皆さんはこのような環境の地域にいたとして、出店しますか。

ご自分の身になって考えてください。

アフリカの話では実感がわかないのなら、

ご自宅の近くに新しい商品の店を出すことを想像してください。

誰も見たことのない商品のショップです。

 

考えてみると、ハンバーガーも、ネイルなどもはじめは見たことのない商品でした。

そのように、人々がまだよく知らない商品を売る店を出すという状態です。

靴屋さんの行うべき環境分析

ビジネスは積極的に考えないと、調査も営業も打ち切りになるでしょう。

市場開拓をする方針なら、まずは積極的な考え方を取り、調査に臨むべきです。

その意味でB社の営業担当者の姿勢の方が正しい考えです。

 

その上で環境分析はここからが本番です。どのような分析が必要でしょうか。

そもそもA社とB社の置かれた環境は同じではないはずです。

環境分析をイメージするために仮の設定をつくりました。

図表3を見てください。

 

図表3のように設定にして、A社の内部環境を見ると、

現在靴を履いているか、履いていないかは重要なことのように思えます。

A社の強みは高級な靴です。

靴を履いたことのない国に高級靴で進出するのは時間がかかるかもしれません。

 

しかし、A社が新たに低価格の靴を開発して進出するべきか、悩ましいところです。

低価格の靴は得意分野ではありません。

高級な靴が強みなら、経済成長が高く富裕層が生まれている国に

進出した方がいいのではないでしょうか。

 

一方、B社は業績がよくありません。新市場を開拓する必要があります。

例えば3年の後には本国の売上の落ち込み分をカバーしたい。

このような目的目標なら、アフリカ進出は大きな意味を持ちます。

低価格商品を持ち、国際的な展開も得意そうです。

 

ではB社はどのような環境分析が必要でしょうか。

靴を履かない地域に靴を定着させる可能性を見つける調査も必要です。

投下資金が回収できるまで国情が安定しているかの調査も必要です。

A社もB社も調査分析すべきことはたくさんありそうです。

これらの項目を洗い出し、調査分析するのが環境分析です。

つづく